いつも植スゴブログをご覧いただきありがとうございます。
今までは趣味の範囲での自己消費用として畑を運営していましたが、今後は営利用に野菜を栽培していきたいと思っています。
それにあたり、別の場所にある程度まとまった畑を借りるか、購入するかしたいですね。
現在はトラクターを公道で乗るために大型特殊免許の取得を行っています。
本格的に販売を目指した野菜を栽培するための指針、環境づくりをご紹介いたします。
目次
現在の農業について
まずは化学肥料の歴史からです。
ハーバーさんとボッシュさんにより高温高圧条件下で空気中の約80%を占める窒素を肥料や火薬の原料にすることができるようになりました。当時は水と石炭と空気からパンを作る方法と言われました。
科学的に作られる窒素肥料により作物の収量が飛躍的に上昇し、人口増加にも耐えうる量の作物が生産できるようになりました。平時には肥料を、戦時には火薬を空気から作るとも言われる発明でしたがノーベル賞も受賞しています。今の70億の人口を支えるには不可欠の技術ではあります。
そして現在当たり前のように使われている農薬ですが(私も今までは使っていました)、日本で本格的に普及したのは戦後です。
農薬の普及により安定したクオリティの野菜を歩留まりよく作ることができるようになりました。
病気に罹る野菜、虫に食べられる野菜が減ったことでこれまでよりも密にたくさん作ることができるようになりました。それのおかげもあってかキャベツが時によっては100円で食べられるようになったんですね。
農薬には土壌消毒剤というものがありますが、中には毒劇物指定を受けているものもあり人間が死んでしまうほどの毒性を持っています。連作(同じ作物を繰り返し作ること)による障害(土に潜む微生物や害虫)を死滅させることで回避できるため、これを畑にたくさん撒いてしまっているのが現状です。
他にもチョウ目(青虫や毛虫)にかけたらすぐに摂食障害を起こさせ餓死に追いやる農薬、虫ならある程度のものは死滅させることのできる薬(もちろん劇物)、菌に対しても多種多様な殺菌剤があります。
それだけではありません。浸透移行(植物体の中に薬剤が巡り、農薬がかからなかった部分にも効果が出る)により植物全体に薬効が出る物もあります。使うタイミング、農薬の組み合わせにより薬害が出てしまったりもします。中には臭いのきつい農薬もあります。
これら農薬は膨大な書類と資金を用意して国の厳しい審査をクリアしてから販売されています。魚毒性、マウスへの毒性も見ています。
現在の農薬の市場規模は約3,300億円(2017年5月(株)三菱東京UFJ銀行資料より)でここ10年の栽培面積の減少にかかわらず市場規模は横ばいです。新剤の投入による薬価の上昇により使用量は減っても金額は変わらないのです。
なぜ新剤の投入が必要なのか🤔薬剤抵抗性害虫が出てしまっているからです。
出現の仕組みは、薬剤をかける→たまたま生き残る→繰り返しかけられる→まだ生き残る虫がいる(薬剤抵抗性をget!)→世代交代を繰り返し…です。身近な例ではゴキブリですね。
野菜を手軽な存在にした化学肥料と農薬ですが、環境への負荷は大きいです。肥料は必要以上の施肥により河川に肥料成分が流出し、富栄養化による赤潮等の被害が出ています。農薬もミツバチの減少、残留農薬の問題等話題になることがありますね。
現在の農業の問題点
同一品目大量生産が主流になった現在の農業。
①毎年同じ作物を作っている。
②畑の中に同じ作物しか植えられていない。
根本として上記の2点があるのではないでしょうか。
例えばひたすらキャベツを作り続ける畑。
畑はキャベツに関係する菌や虫が多くなります。
キャベツの病気に関わる菌は生育中に徹底的に殺菌され、土壌に残る菌や線虫は強力な土壌消毒剤のガスにより死滅し、キャベツの葉を食べる虫は徹底的に殺虫されます。葉物野菜の産地では蝶々や蛾を見かけることはほとんどありません。
畑の肥料成分もキャベツが良く吸うものは減りますが、キャベツが使わないものは残肥として残ります。土壌分析により次作での施肥を調節しますが、偏りが生まれてしまいます。
もう一つ、ネギを例に挙げてみます。
毎年ネギが植えられて、雑草もきれいに除草されています。
これではネギに関係する肥料分しか消費されず、ネギに関係する生物、微生物ばかりが増えてしまいます。ネギへの加害が激しくなった新しいハモグリバエも出現してしまっています。黒腐菌核病も多発してネギが作れなくなってしまっている畑もあります。
大産地と言われる場所の畑では病害虫に悩まされているのが現状です。
毎年多くの新しい農薬が発売されます。すでに発売されている農薬も新たな作物への登録が取られたりしています。こうして様々な薬剤をローテーションして作物に使用していきます。
無農薬・無肥料栽培への挑戦
環境への負荷を考え持続可能な農業をしつつ、これまでと変わらない野菜を届けたい。
上記の目標を達成するために現代の農業の常識と戦っていかなくてはなりません。
現代の農業の問題を回避するにはどうしたらよいのでしょうか。
多品目にわたる作物を同時に栽培する
1枚の畑の中に同じ作物だけでなく、↓の写真のように
イネ科のトウモロコシとマメ科のヘアリーベッチを同時に生育させます。
そして畑1枚すべてこれだけでなく、ナスやエダマメなど同時期に栽培できるものと矮性ムギも混ぜて栽培させることで1つの生態系を生み出します。
多少の食害はあるのを覚悟しなければいけません。ですが食害する虫を食べる天敵もやってくるため被害は大きくならないと思っています。
微生物の多様性を重視する
2020年夏、バクチャーに出会いました。
微生物活性剤で様々な微生物の活性を促してくれます。
バクチャー水槽でメダカの水槽を立ち上げ、3週間飼育したのち実際に水槽の水を飲んでみました。
浄水器を通した水と飲み比べましたが、違いが判りませんでした。
2か月ほど経った今でも水替えしていませんがとてもきれいな状態を保ってくれています。執筆中にも飲んでみましたが、美味しかったです。
そして、実際にバクチャーを混ぜ込んだ畑の1区画で白菜栽培をしてみてバクチャーの可能性を感じました。
残渣を捨てていた穴の上で栽培しています。
虫には食べられていますが、生育は全く問題ありません。
多様に微生物が多ければ病気を誘発する微生物の増殖が抑えられたり、野菜が生育するための肥料成分も生み出してくれます。
緑肥による有機物の補給
緑肥には土壌に潜む作物の敵となる微生物や線虫を減らす効果を持っているものがあります。緑肥だけでなく作物にも同様の効果を持つものがあります。
緑肥を含め多様な植物を育てることで連作障害の回避や多様な生態系(害虫の餌や害虫、その天敵等)を育むことができます。
次に化学肥料を使わない栽培を目指すにあたり、現代の野菜品種についてのお話です。
現在の品種は化学肥料を用いることを前提とした育種がされており「窒素成分で〇〇kgを目安に畑づくりをしてください」とカタログにも記載されていることがあります。
そうした野菜を育てるためにイネ科やマメ科の有機物量の多い緑肥を育て、微生物が分解することで有機物が植物が使うことのできる状態になります。
小さな森を作るイメージです。森には肥料を入れていないのに大きな木が育ち、数百年の時を生き続けています。
無肥料栽培だからと小さい野菜では満足度も下がってしまうと思います。なるべく市販の作物に近い形でたくさん食べてもらいたいので緑肥作物は使っていきます。
植スゴブログのこれから
既存の作り方を見直し新たな野菜栽培をスタートさせるため、新たな場所に移っていきたいと考えています。
最初から広大な面積の管理はできないため少量の栽培から始めていきます。
生産が安定してきたころに少しずつ面積を広げていきます。
緑肥を投入するため、畑が使えない時期も出てきます。
複数の畑をローテーションしながら、季節ごとの旬の野菜を栽培できるような作付けをしていきます。トンネル栽培をすることで旬のものを一足早く食べることもできます。需要があれば検討します
注意点ですが多少の虫食いは防ぐことはできません。ですがお手元に届く野菜には極力虫が付いていないようにも努めます。
既存の流通経路では差別化して栽培をしてもそのメリットが活かせないので、インターネットでの直販を行います。メルカリや農産物を直接やり取りできるサイト(どこかは検討中)に出品するつもりです。関東、東北エリアであれば収穫後次の日には野菜が届きます。既存の流通では集荷→市場→
栽培や出荷に関する情報は当ブログ、Twitter、Facebookで随時発信していきます。
食の安全が叫ばれて久しいですが…加工食品は工場の中をどのようにして加工されていくのかを見る機会はあります。しかし、野菜がどのような環境で作られたか気にされたことはありますか?
生で食べることの多い野菜だからこそ、どのような環境で育っているのかを気にしてみてください。
Youtubeのチャンネル開設も予定しています。
バクチャーを投入した畑では硝酸イオンの少ない、高抗酸化力、ビタミンC含有の高い野菜ができるとのことです。
多様な生態系の元で育った野菜を食べてより健康な生活を送ってみませんか?
先日まで画面の中で見ていた、種のころから知っている野菜が手元に届く体験をしてみませんか?
このとりくみを応援してくださる方はぜひフォローしていただき、食べてみてもらいです。
よろしくお願いいたします。