トウモロコシを育てよう!
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そもそもトウモロコシって何?

起源

トウモロコシの起源は原種も含めて今のところわかってはいません。🤔

メキシコあたりの中南米が起源という説が有力です。

世界に広めたのはコロンブスです。中南米からヨーロッパに種を持ち帰ったそうです。⛵️

特殊な光合成(C4植物)

一般的な植物は光合成のとき、CO2(二酸化炭素)を取り込んで最初にできる物質の炭素(C)の数は3つです(C3植物)。

トウモロコシなどのC4植物と呼ばれる種族たちはCO2を濃縮するポンプを持ちます。

それにより炭素(C)を4つ持つ物質を作り出して光合成を進めます。

これの何がいいかというと、普通の植物(C3植物)は高温や乾燥などの悪条件のときは気孔を閉じなければならないが、C4植物は閉じずにCO2を回収できます。

この特性により過酷な環境(高温・乾燥)、低CO2濃度、痩せた土地等での生育に有利に働きます。

一方で、過酷環境な条件でもなく生育がスムーズに進む環境ではCO2の濃縮に余分なエネルギーを使うのでC3植物のほうが有利になる部分もあります。

いろいろあるぞ!トウモロコシ

スイートコーン

日本で主に食用とされているトウモロコシ。😋

デント種からの突然変異で生じた未成熟果において当分含量が最も高く、甘みが強い種。

su1(sugary-1)、se(sugary enhancer)、sh2(shrunken-2)等の遺伝子変異が用いられる。

スイートコーンとしては1900年初頭にアメリカから「ゴールデンバンタム」を導入、1950年代に「ゴールデンクロスバンタム」が導入。

スーパースイートとして1970年代に「ハニーバンタム」(イエロー種、サカタのタネ)が登場し爆発的に普及。

日本で食用とされているものはスイートコーンだが、世界的にはデントコーンの生産が主流。

※shrunken=年齢や病気などで縮んで、痩せてしわが寄る。種を乾燥させると収縮しシワが寄るため。

デントコーン

穀粒の側面は固く、中は意外とジューシー。😳

飼料用、コーンスターチ・バイオエタノールの原料となる。

ポップコーン(爆裂種)

ポップコーンの原料。実は小さく、硬い。

フリントコーン

カラフルなトウモロコシ。トルティーヤや飼料用。🥰

※写真はイメージです。

GMコーン

遺伝子組み換えにより非選択性除草剤耐性、チョウ目やコウチュウ目抵抗性を持たせた。😓

※写真はイメージです。

世界のトウモロコシの現状

世界での生産量

アメリカ   :3億5千万トン

中国     :2億6千万トン

ブラジル   :8千6百万トン

アルゼンチン :5千万トン

ウクライナ  :3千万トン

日本     :73万トン(うちスイート種が21万7千トン)

アメリカが圧倒的です!😳中南米で大量に作付されているのがわかりますね。🤔

スイートコーンの栽培

栽培の流れ

播種・定植

地温・水分の確保をする。🚰

できれば2〜3粒まき。😶🥺😶

スイートコーンの種はしわくちゃで、発芽するための力が弱いです。🫠

適切な苗で定植する(下の写真くらいのとき)。

直まきの場合は2.5葉期頃(上の写真くらいのとき)に間引きをして1本立にする。

この時に、根を傷めないようにハサミで切るのがベター。✂️

関東で2月まきをしてトンネル栽培をするときは30度を超えないように昼間は換気をする。

膝丈期

雄穂が作られ始めるのは本葉5〜6枚頃。

雌穂が作られ始めるのは本葉7〜8枚頃。

この頃に高温、低温、乾燥、肥料切れによるストレスを受けると花粉の量や穂の形状に影響が出る。

分けつはそのままにすると主茎への養分の転流、倒伏防止、花粉への利用ができる。

出穂期

受粉をするための準備をしているのでエネルギーが必要。🤩

の時期も肥料切れ、乾燥には気をつける。

花粉が出始めたら

雨が降り続くと花粉が飛ばないので、晴れることを祈ってください。☀️

風があまり吹いていなければ、雨合羽を着て雄穂を棒で叩いて回るのも一つの手です。

雄穂が出てから吸い上げた養分は1番目の雌穂には行きませんので、この後の追肥はやらなくていいです。

絹糸抽出日をチェックします。

ここから約20〜25日で収穫になります。(熟期の温度により前後します。)

2番目の雌穂を除くのは、できたらでOK。

雄穂の花粉が出終わったら、切り落としてみるのもいいかもしれません。(トッピング)

切り落とすと虫の発生の減少、鳥害の軽減、重心の低下による耐倒伏性の向上があります。

収穫期

適期に収穫をする。収穫が遅れるとしなびてデンプン等が増え、甘みが減り粉質に…。

収穫後は早めに食べるか、冷蔵庫へ入れる。

栽培条件

発芽適温は25〜30℃。最低温度は7℃

生育温度は22〜30℃。高温障害は35℃以上で現れる。

施肥設計(目安)

肥料名元肥追肥
堆肥2t
苦土石灰100kg
過燐酸石灰60kg
高度化成555160kg
NK化成1回目追肥膝丈期(7〜8葉期)60kg
NK化成2回目追肥雄穂出穂期20kg
成分量元肥 N-24 P-34 K-24
追肥1 N-9 P-2 K-9
追肥2 N-3 P-0 K-3

全施肥量(10aあたり成分)

トンネル作型  :N-36  P-36  K-36 kg

露地マルチ作型 :N-30  P-35  K-30 kg

露地作型    :N-25  P-30  K-25 kg

栽植本数 :4,000~4,500/10a

膝丈期

膝丈期は幼穂が形成される大事な時期。

雄穂が作られ始めるのは本葉5〜6枚頃。

雌穂が作られ始めるのは本葉7〜8枚頃。

この頃に最終的な穂の形状が決定する。

追肥は水分がある時に。乾燥していれば潅水をしてあげると良い。

ストレスを受けると…。

①粒列の乱れ

②先端不稔

③扁平

④副房

⑤ねじれ

これらの症状が出てくるので乾燥・低温・高温にはできるだけ気をつける。

トンネル栽培での温度管理

35℃以上で高温障害が発生する。🥵

トンネル内は30℃を超えないように換気をする。

かと言って早くトンネルを除去すると遅霜に当たることもあるので注意。🥶

注意する虫

播種・定植

  • ネキリムシ

ネキリムシは発芽後に根本で真っ二つに、鳥は種が食べられるか発芽後に引っこ抜かれます。😰

出穂期

  • アワノメイガ
  • オオタバコガ
  • アワヨトウ
  • ヨトウムシ
  • カメムシ

雌穂を加害しうる害虫です。😰

増えてしまう前に早めから手を打ちましょう。

雌穂肥大期

  • アブラムシ
  • アワノメイガ
  • オオタバコガ
  • アワヨトウ
  • ヨトウムシ
  • カメムシ

アブラムシが加わりました。

雌穂の根元付近が真っ黒になってしまうのでしっかり防除しましょう。

アブラムシまみれになります。😱

収穫期

  • たぬき
  • ハクビシン

実が熟した頃に食べられます。

動物たちも美味しくなるのを待ってから食べます。😸

非常にやっかいです。電気柵、防鳥糸等で対策しましょう。🦜

老化苗を植えると…

トウモロコシは本来移植をせずに育てる作物です。🌽

トウモロコシの根は真っすぐ伸びていくタイプです。

そのためトレーの中で根がぐるぐる巻くことはトウモロコシにとって大きなストレスとなります。😡

できれば直播きでやってもらいたいですが、寒い時期に播種をするとか、発芽の悪い品種を使用する等の理由でやむを得ず移植栽培する場合は適期定植をしてください。

左が通常苗、右が老化苗

通常苗は播種から14日〜21日(温度によって変わる)、老化苗は播種後30日。

子葉も黄色くなってしまっています。

これを植えると…

節間がとても短くなり、背丈も通常160cmのものが100cm程度になってしまいます。😭

こうなるともう手遅れです。

花粉の量が減り、雌穂にも異常発生が多くなります。😨

粒列の乱れ、先端不稔が多いですね。😱

次の写真が通常苗からできた穂

通常生育の穂と比べてもふた周り小さくなり、やはり通常苗からは安定した実が穫れます。🙂

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。😌

素敵なトウモロコシの栽培ライフを送っていただき、美味しいとうもろこしを収穫してください。😉

採れたてが一番美味しいです。😋

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