根粒菌!!
聞いた効いたことありますでしょうか?マメ科植物(宿主)の根に根粒(細菌との共生によって生じる根のコブ。後で写真出します)を形成して大気中の窒素をアンモニア態窒素(植物が使える状態)にして(窒素固定)宿主植物に提供します。
あれ?根粒菌ってすごくイイヤツじゃない?と思われた方もいらっしゃると思います。
もちろんタダで窒素をあげているわけではありません。植物からは光合成産物をもらっています。
寄生という言葉はよく聞きますね🤓一方的にくっついていろいろ奪っていくニクイヤツです。
give and takeの関係を持つマメ科植物と根粒菌は共生関係で成り立っています。
見つけられたでしょうか?
今度は根のアップの画像を出してみます。
根にくっついている丸いもの、それが根粒菌の根粒です。
どうやってエダマメの根に根粒菌がくっつくのでしょうか❔
エダマメの根が分泌するあるフラボノイド(いわゆるポリフェノールってやつです。「エダマメの根が来たぞー」って合図です)を根粒菌が感じ取って反応します。次に根粒菌がエダマメの根に「根粒菌が来たぞー!」という合図を出して、エダマメの根がごちゃごちゃとすごいことをして根の中に入っていきます。
合図を出し合うことで変な菌を取り込まないようにしています。
空気中にある窒素を植物が使える窒素に変える
これって人間がやるとすごく大変なことなんです😰
20世紀に入るまでは空気中の約80%を占める窒素のほとんどを人間は使うことができていませんでした。しかし、ハーバー・ボッシュ法の発明により大量の窒素を人間が使えるようになりました。
化学肥料に窒素が入ることにより作物の収量は爆発的に増え、増え行く人口にも対応できるほどの作物収量を確保できるようになりました。空気からパンを作ったことになりますね😊
平和な時代であれば肥料になりますが、戦争では火薬の元となる硝酸の合成に使われてしまします😢
高温高圧で触媒(反応を促進させる物質)と反応させるとアンモニアができます。ハーバー・ボッシュ法の発明当初から約100年間経った今でも工業的な窒素固定の方法は変わっていません。もちろん低温低圧、高効率にはなっています。
そんな手間暇かけて人間がやっていることを根粒菌は大昔からやっています。
とんでもない子たちですね😲
根粒を割ってみるとこうなっています。
2色の根粒菌がいるわけではありません。
生きている根粒菌は赤く、死んでしまっている根粒菌は緑色になっています。
太古の昔から空気中の窒素を活用できている根粒菌ってすごいと思いませんか?🧐
このように空気中の窒素を活用できるマメ科植物の窒素肥料の要求は少ないです。オール14(N: P: K=14: 14: 14)等の肥料を入れすぎてしまうと葉が茂り実の付きが悪くなってしまいます。
また、土壌病害対策に土壌消毒をやってしまうと根粒菌も菌ですのでもれなく殺菌されてしまいます。その畑にマメ科植物を栽培するときは資料に記載されている施肥例よりも多めに窒素を入れた方がいいかもしれません。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/index.html
農林水産省の都道府県施肥基準です。栽培資料がまとめられています。